安心のコストは+21.3%

「農力村」

契約した農家が持つ田んぼの収穫を、 1a 単位で販売している。
1a で 36000 円〜。この中に含まれる「食の安心」のコストを計算してみた。

付加価値を考えずに計算してみる

農林水産省『分野別分類/作付面積・生産量、家畜の頭数など』(PDF注意)


米の収量は、10a 辺りだいたい 500kg。 1a で 50kg。

1人1ヶ月辺りの米消費量は、およそ5kg。
http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/keikaku/080522.html

1.2aで、だいたい1人・1年分の米が作れる計算になる。
つまり、 36,000円/1a × 1.2a = 43,200円


米の小売価格。
http://www.komenet.or.jp/komedata/

ブランド、年によるけどだいたい 4000 〜 5000 円 /10kg。
小売りで買うと年間の米代が 24000 〜 30000 円になる。


農力村で買う場合は
13,200円〜19,200円= 安心料
という計算。だいたい60%が上乗せされる形。

実際はもう少し安い

サイトを見ると、「好きなときに発送してもらえる。送料無料。」とある。
これを考えると、上記のコストの中には「店に買いに行く手間(コスト)」を含められる。

10kgの米を年に6回、1回辺り1時間かけて買いに行くとして、その人の時給を800円として見積もってみる。
(時給は適当だが、単純労働として安めのアルバイト程度*1に見積もり)

800円/時間 × 6時間 = 4,800円


さらに「田植えや稲刈りなどのイベントも参加可能(企画中)」
ざっと検索したところ、通常の田植え、稲刈り体験はそれぞれ大体1,000円で参加できそう。
両方とも参加した場合、

1,000円/回 × 2回 = 2,000円


田植え、稲刈りが参加無料で行われるのかどうかは分からないけど、無料とした場合は
付加価値額が 6,800円。


年間安心料 = 43,200円(農力村価格) - 30,000円(ブランド米) - 6,800円(付加価値)
      = 6,400円

売店でブランド米を買う価格の21.3%が安心料になる。


「俺の田んぼ」を持つ、という金銭に換えられない付加価値の存在も考えると、
妥当なラインの気がしないでもない。


たとえば国産豚とか鶏とか、どの程度が「食の安心」のために支払われているんだろう。

*1:基準は東京価格