酵母からほ乳類まで保存された老化のメカニズムが見つかった?

Science Daily より
http://www.sciencedaily.com/releases/2008/11/081126122203.htm


元はCellの論文。
Philipp Oberdoerffer et al.
SIRT1 Redistribution on Chromatin Promotes Genome Stability but Alters Gene Expression during Aging.
Cell, November 28, 2008 Volume 135, Issue 6


老化は
sirtuinというタンパク質が持つ
クロマチン化による遺伝子発現の制御」

「DNA損傷の修復」
の2つの機能が、後者に偏ることで起こる。


齢を重ねると、DNA損傷が増える。
それによって修復に働くsirtuinが増える。
すると、クロマチン化による遺伝子発現制御が緩くなる。
細胞にとって不要な遺伝子が発現してくる。


それが、老化の原因なのだと。


実際、
・老化したマウスでは、遺伝子発現の「漏れ」が多い
・sirtuinの過剰発現で、寿命が最大49%延長


すごい。


この発見の最大の意義は、老化が「遺伝子の変異」という不可逆な変化ではなく「sirtuinの働きのバランスの偏り」という可逆の変化によって起こることを発見したこと。
遺伝子組換えなどによらずとも、老化を予防しうるってことだ。